最適解を知ってしまった瞬間、ゲームはつまらなくなる?
ネットの情報はなるべく使いたくない!けれども気になる!
さあ、久しぶりにゲームをするわよ!
お、3DSのゲームをやるとは珍しいな。いつもはスマホアプリなのに
うーん、やりたいゲームはあるんだけどね。ずーっと待ちわびてるけどなかなかリリースされなくて
『まどマギ』のやつか。もう少しでリリースっぽいけどな
ま、たまにはこういう3DSのゲームもいいじゃない。今日やるゲームはこれよ!
どうぶつたちが暮らす村の村長になって、村人と交流したり、村を発展させたり、家に家具を置いたりするゲームね!
まあ、定番のゲームだな
さっそくスタートよ!
あ、最初のタクシー乗って質問されるところ、ここでプレイヤーの顔が決まるからな。攻略サイトに質問とその結果で出来る顔チャートあるから、参考にした方がいいぞ
・・・
最初は特産品のくだものを売って金を稼ぐんだ。3DS本体の時間を進めたり戻したりすればまた実がなるからな。どうぶつとの交流は最初のチュートリアル以外、ぶっちゃけ時間の無駄だ
・・・
島に行けるようになったら、木は全部切り倒して、横並びに植え直すんだ。本数は少なめにな。高値で売れる昆虫が他の木に分散しなくなるから効率がいいぞ
・・・
ん? どうした?
もうさっきから何よ! 時間の無駄とか、効率とか!
ゲームをするんだから、効率重視にするのは当たり前だろ。攻略サイトもあるんだし、ここを見れば誰でも出来るんだぞ?
あたしはどうぶつさん達と楽しく交流したり、好きな家具を置いたりして遊びたいの!そういうお金稼ぎの効率とかはいいの!!
そうか。お前がのほほんと試行錯誤しているうちに、私は家の借金をあっという間に返して、好きな家具も手に入れ放題で、村もすぐに発展してるぞ
う・・・
ゲームをじっくり遊ぶのもいい。けれども、効率的に遊んだ方がもっと楽しめるじゃないか
・・・わかった。じゃあそうする
数時間後・・・
やったな!家の改築もどんどん進んで村の環境もかなりよくなったぞ!
なんか、楽しくない・・・これじゃ作業だわ
ゲームって何が楽しかったんだっけ?
「ゲーム」と言っても、ジャンルも様々で、楽しみ方も人それぞれだ。
格ゲーなら誰よりも強くなりたいって思うだろうし、RPGならストーリーだったり、プレイヤーキャラを育てて強くなっていくのが楽しいって思ったりすることだろう。
「あれ?この技超つええええ!! もしかして裏技見つけちゃったかもしれん!! 友達に教えて自慢しよう!!」
「おお、ここのマップにいる敵を倒すとこんなレアアイテムが手に入るのか! すげー発見したぞ!!」
例えば、ゲームをやっていれば一度はこういう「裏技を見つけてしまったかもしれない!」みたいな経験をした事がある人は多い事だろう。
けれども、インターネットにいつでもアクセス出来るようになった今はどうだろうか。
自分が裏技だと思って見つけた事が、当たり前のように攻略サイトに書いてあるし、それどころか、自分のやり方以上にもっと良い方法があったりもする。
しかも、ネットで検索するだけなので、お金はかからない。つまり、誰でも瞬時にその情報を手にいれる事ができる。
「攻略サイトを見れば、誰でも最適解がすぐわかる」
今はそういう時代なのだ。
でも、昔から攻略本がとか売ってるんだから、それがネットになっただけじゃん
昔の攻略本は、今ほど精度は高くない。
間違いがたくさんあったり、重要な情報は敢えて抜いてたりしたため(おそらく、公式からの圧力)「不完全」なものが多かった。
おまけに攻略本はゲーム発売から時間が経ってから発売される事も多く、どちらかといえばゲームの攻略目当てで買うよりも、編集者が書いたコラムの方が面白かったりして、好きなゲームの「ファンアイテム」という要素が強かった気がする。
攻略本=ファンアイテム
ネットの攻略サイト=ゲームの攻略のためだけに見る
こんな違いがあると思う。
「好きなゲームだから、攻略本を買う」のと、「より効率的な立ち回りをするために攻略サイトを見る」のでは、全く意味合いが違ってくる。
だったら、最初からそんなもの見なければいいじゃない
自分の力で全部クリアするんだ! 他の攻略サイトには頼らない!
そう思ったとしよう。だが・・・。
例えば、迷路のようなダンジョンのマップを散策しているとしよう。
あちこち行き止まりに捕まり、そのたびに引き返して、モンスターと余計にエンカウントして、多くの時間がかかってしまったとする。
その時ふと、こう思ってしまうのだ。
「もし攻略サイトのマップ情報を見れば、行き止まりにつかまる事なく、かつレアアイテムの場所も見落とさずに進めるんじゃないか」と。
他の人はそれでレアアイテムも手に入れて、ゲームも早く進めているのに、自分はまだ序盤のダンジョンに取り残され、レアアイテムも手にいれる事なく進める様子を想像すると、なんだか滑稽に思えてくる。
「だったら、最初から攻略サイトをみて進めた方がいいな」
そう思ってしまうのだ。まさにゲームのジレンマ。
ゲームを本気で楽しめない人の理由はここにある、というのが私の自論だ。
ライトゲーマーは別に「ゲームが楽しい」わけではない。
「出来て当たり前」って、なんだかちっともワクワクしないし、作業ね
ゲームが楽しいってよりも、作業が好きって人も多いからな。日本人は特にその傾向が強い
確かに、反対に海外だと「ゲーム」といえばFPSのようなプレイヤー自身のスキルが重視されるものが多いわね。日本じゃ逆にあまり流行ってないし
その通り。だから今は「ガチゲーマー」と「ライトゲーマー」で好むゲームジャンルが違うわけだ。
こんな風に今ははっきりと分かれてしまっているわけだな
これだとあたしはライトゲーマー?
補足しておくと、スマホゲームはガチャという運要素があるから「面白い」と感じるユーザーが多いんだ。つまり、ゲーム自体に魅力を感じていない人も多い
ガチャ要素のないスマホゲームがあんまり売れないのはやっぱり「最適解」だけのゲームになってしまうからなのかしら
でも、ライトゲーマーとガチゲーマーが楽しめるゲームだってある
ガチゲーマーが好むような、プレイヤーのスキルが重視されつつも、運の要素や、親しみやすいキャラクターを出して「実力」と「運」のバランスが取れているゲームがあれば最強だと思わないか?
そんなゲームがあればきっと売れるでしょうね・・・あ
スプラトゥーンが人気なのは、そういう事なんだな
考えてみれば任天堂のゲームって「スマブラ」や「マリオカート」みたいに対人戦だけど運の要素もあるゲーム結構あるわね
だからこそ、売れるんだろうな。ちゃんとそういう工夫もしているのが任天堂の凄いところだ
つまり、何が言いたかったの?
われわれ現代人はネットの攻略サイトによって、多くの人が「ゲームが楽しくない」と感じるようになってしまった。(当社比)
それでもゲームが好きな人は攻略サイトに頼らない実力主義の「FPS」のようなゲームを好む。
でも、そうした溝を埋めるような『スプラトゥーン』のようなゲームも登場している。
つまり、任天堂凄い。
いつから任天堂信者になったの?
昔からだぞ!ちなみにスイッチはまだ買ってない!
・・・